運営:社会保険労務士法人ヒューマンキャピタル
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等級をどのような「くくり」で定義するかを決めます。
(コンサルティング提案の時点で見込みをたてておきます)
具体的には、全社横断の定義のみ、職種別に定義するといったことです。
会社の業務の種類をふまえて検討します。
職能基準、職務基準、役割基準のどれにするのが適当か、メリット・デメリットをよく検討します。
<それぞれの基準のメリット・デメリット>
職能基準 | 職務基準 | 役割基準 | |
概要 | 社員が保有または発揮している職務遂行能力のレベルを基準にする | 社員が担当する職務の価値を基準にする | 社員が職務を通じて果たしている役割の価値を基準にする |
メリット | ・人事異動、職務転換に柔軟に対応できる ・等級と役職の分離により、ポスト不足に対応できる |
・実際に遂行している職務と賃金が一致するので合理的 ・理論的には職務価値の総和と賃金総額は一致するので、人件費の膨張を防ぐことができる |
・担っている役割と賃金が一致するので合理的 ・役割等級は職務等級より大ぐくりになるため、柔軟性がある ・職能基準の柔軟さと職務基準の明確さを併せ持つ |
デメリット | ・実際に担当している職務、担っている役割と等級にずれが生じ得る ・能力という属人的な要素が基準になるため年功的になり易い |
・人事異動、職務転換に柔軟に対応できない ・職務が変わらない限り等級、賃金は上がらないため、モチベーションの維持が難しい |
・職務基準に比べると抽象的 ・職能基準の柔軟さと職務基準の明確さを併せ持つが故に、設計・運用次第では年功的になる可能性がある |
会社は社員をいくつのランクに分けるのが適当と考えているかを踏まえて検討していきます。
実在者を何人かピックアップしてランク分けを実際にしてもらうこともあります。
こうすると、等級イメージが実感できます。 また、人員数や人員構成なども考慮します。
現在の役職ラインがベースになりますが、今後のあるべき姿も描きつつ検討します。 また、ライン管理職だけでなく、専門職なども対象にします。
<人事等級制度イメージ>
等級ごとに、会社が求める要件を洗い出していき、定義づけをしていきます。
<人事等級概要定義の例>
昇格には「卒業方式」と「入学方式」があります。
基本設計では、どちらの方式を採用するかを検討します。
また、等級レベルによって異なる方式を採用することも考えます。
評価基準の基本方針を決めます。
評価基準は、能力や成果などの「評価要素」とその細目である「評価項目」、そして「評価着眼点」からなります。
基本設計では、評価要素と評価項目を決めます。
評価要素には次の3つがあります。
次に、評価要素ごとに評価項目を設定していきます。
評価項目の数は評価者の負担も考えて検討します。
どういう人、すなわち、どういう能力や行動、成果を評価したいか、ディスカッションを重ねていきます。
全般的なイメージだけではなく、職種、等級ごとに具体的な業務をあげながら、「○○の業務で高い成果を上げるのはどんな人か、どんな能力をもち、どんな行動をとっているか」といったことを検討します。
<人事評価要素と人事評価項目の例>
<人事評価着眼点の例>
評価要素の重みづけをします。
これは、評価結果の活用領域(賃金、賞与、等級)、等級、職種の3つの側面から、検討します。
評価ウェイトには次のような会社の人事ポリシーが色濃く表れます。
そのため、評価ウェイトの検討では、再度会社の基本コンセプトに立ち返った議論が必要になりますし、そこを再確認する場にもなります。
評価ランク数と評価ランクの定義を決めます。
まず、何段階評価とするのかを決めます。
次に、段階ごとの定義を設定していきます。
<人事評価尺度基準の例>
評価段階(一次評価、二次評価など)と段階ごとの評価者を決めます。
評価段階は一次、二次など複数設けることが一般的ですが、制度設計では組織の実情に合わせて検討します。
評価会議のような場を設けるかどうか、最終決定はどこでどのように行うかも検討します。
フィードバック実施の有無を決め、実施する場合、フィードバックの目的、フィードバック実施者などを決めます。
人事評価結果を人事処遇のどの部分に反映させるかを、人事評価要素ごとに検討します。
「能力評価4割、成果評価6割」など、反映ウェイトの基本的な考え方もまとめます。
<人事評価と関連諸制度の相関図の例>
賃金制度設計では、モデル賃金イメージが大事です。
これをベースに、会社が適切と考える賃金の姿、水準を作り上げていきます。
また、実在者の賃金の検証も重要です。年齢ポイントごとの実在者の平均値、中央値、最高値、最低値を取り出し、その水準が妥当かどうかを検討します。
賃金決定基準の基本は等級基準です。これが基本給的な位置づけとなります。
次に、等級基準以外にどのような要素を入れるかを検討します。
検討要素は次の通りとなります。
賃金決定基準を基に設定していきます。
実務的には、現行賃金体系の統合・新設、すなわち、何を残し何を廃止するかを検討することになります。
また、各賃金項目の構成比をどの程度にするかも検討します。
<賃金体系図の例>
基本給改定方式の主なものには、積み上げ方式、洗い替え方式、ゾーン方式、複数賃率方式があります
年功的要素を残すか否か、残す場合はどの程度残すかがポイントになります。
また、積み上げ方式と洗い替え方式の組み合わせなど、複数の方法を組み合わせることも可能です。
賃金表には、「シングルレート」と「レンジレート」があります。
また、レンジレートの賃金表には、「開差型」、「接合型」、「重複型」の3つがあります。
目指したい賃金の姿と実情とを勘案して、どの方式でいくのかを検討します。
<賃金表イメージ>
<等級別、評価別賃金カーブ>
この段階では、昇格(人事等級の上昇)をした際にどの程度賃金を上げるべきかを、等級ごとに決めます。
昇格インセンティブをどの程度にするかがポイントになります。
賃金と賞与の役割分担を明確にします。
また賞与は業績などに応じて変動します。人件費の変動費化の観点から、年収に占める変動部分の割合をどの程度にするかを検討します。
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