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賃金、人事制度講座

秩序のない賃金をどう秩序づけるか(1)

賃金には秩序が必要です。

こう書くと、何やらいかめしい話のように見えますが、ここでいう秩序とは、一定の基準に則って賃金が決められているということです。A

言い方を変えると、「賃金に秩序のない状態」とは、「なぜその金額になっているのか説明のつかない状態」を指します。

たとえば、誰がどうみてもAさんよりBさんの方が仕事ができるのに、賃金はAさんの方が高いというケース。

それでも、Aさんの方が年齢が高いとか入社が早いとか、あるいは家族数が多いといった事情にあれば、賃金がその分高くなるということもあり得ます。

年齢、勤続などで賃金額が決まることの是非、納得性は別として、少なくとも説明はつきます。

しかし、年齢や勤続、家族数なども両者で同じとか、あるいはBさんの方が上回っているとなると、「?」となります。

説明しずらい状態ですね。


ただし、実はこれ、説明できる場合もあるのです。

過去はAさんの方がBさんより仕事ができたが、今は逆転しているという場合です。

これまでの実績の積み上げがあるため、賃金面ではまが逆転していないということですね。

このような状態にある場合、賃金全体のうち、どの部分が過去の積み上げ分で、どの部分が現在のレベルの反映なのかがはっきり分かるようにしておくのがベターですね。

また、過去の実績をいつまで引っ張るのかという問題もあります。


少し横道にそれましたが、いずれにしても賃金というのは、これまでの様々ないきさつを引きずっていることが少なくありません。

その結果、どうにもよくわからない、そして納得感のない状態になってしまっているわけです。

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