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賃金体系を見直した結果、不利益を被る人がいたら?(1)

賃金制度を見直した場合、新しい賃金制度によって、賃金が上がる人もいますが、下がる人が出ることもあり得ますよね。

基準が変わるわけですから、ある意味当然です。

典型例が、賃金体系を年功序列型から成果・貢献度型へ変更する場合でしょう。

このような場合、現実の不利益があるとは限りません。 人事評価などによって、労働条件が上がる人もいれば下がる人もいます。
また、賃金制度を変更する場合、それに合わせて就業規則も変更します。

では、このような変更は、「就業規則の不利益変更」になるのでしょうか?

裁判例は不利益になる可能性がある場合は不利益変更にあたるとしています。

ではその場合、いわゆる「就業規則の不利益変更の法理」が適用されるのでしょうか?
つまり、業績悪化など差し迫った経営危機が必要とされるのでしょうか?

賃金制度の変更は、業績悪化など差し迫った経営危機がある場合に行うとは限りません。 将来の成長戦略のために人事制度を改革することもあります。

裁判例でも、「組織や個人の実績に見合った報奨でインセンティブを与えて積極的に職務に取り組む従業員の活力を引き出すことにより労働生産性を高めて会社の競争力を強化し、もって、会社の業績を好転させるなどして早期に技術ノウハウの開発が可能な企業を目指すこととして、賃金制度の変更を検討することとしたというのであり、これによれば、本件賃金制度の変更は会社にとって高度の経営上の必要性があったということができる。」(ノイズ研究所事件・東京高裁・平成18年)と、戦略的観点からの賃金体系変更を、高度の経営上の必要性があったと認定しています。

つまり、戦略的な賃金制度改革を、経営危機等による不利益変更と同じ基準で判断するのは適切ではないということです。

前述の通り、「戦略的就業規則変更」も、高度の経営上の必要性があると解されています。 ただし、たとえ必要性があっても、変更に合理性がなくてはなりません。

では、人事制度改革による就業規則変更の合理性は、いかなる基準で判断するべきでしょうか?

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