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賃金制度改革と法律の関係は、次のように整理できます。
では、賃金制度改革による就業規則変更の合理性は、いかなる基準で判断するべきでしょうか。
それは、次の5点と考えられます。
制度が一定のポリシーの元に設計されており、内容が公開されている必要があります。 特に成果・貢献度重視型の人事制度にする場合、ここがポイントになります。 中でも人事評価制度の内容や基準は、賃金や格付といった重要な労働条件に直結するものであり、最重要ポイントといえるでしょう。
新賃金制度は、原資イコールが原則です。 もし新制度移行によって賃金総額が減るようであれば、これは「戦略的就業規則変更」ではなく、従来の就業規則不利益変更の法理が適用され、「差し迫った経営の危機」が要件となるでしょう。
新賃金制度導入によって労働条件が下がる労働者に対し、激変緩和措置など一定の経過措置を設けているか否かも、重要な判断基準となります。
中高年など特定の層を狙い打ちにしたような制度変更は、「戦略的就業規則変更」とは認められない可能性が大です。 ただし、定年延長に伴って高齢者層の賃金を抑制するなど、関連する他の労働条件の改善状況とセットで行う場合は、有効とされる可能性があります。
労働組合や労働者代表と誠意をもって協議することは、ここでも重要な要件となります。
賃金制度は経営環境や事業内容などの変化に伴って、常に見直していくべきものです。 もちろん、現在の制度に問題点がある場合もです。
しかし、働く人の納得性や、コンプライアンスを無視しして、強行してはなりません。
この点をしっかり押さえて、よりよい制度を目指していきましょう。
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