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「できる社員とは?」
→「注文をたくさん取ってこれること」
「画期的な新製品を開発できること」
…いずれも正しい定義です。
でも、これでその人の「能力」を判定したり、「能力開発」するのは、多分無理です。
「注文をたくさん取るにはどんな能力が必要なのか」が分かっていないといけません。
それなら、どうやって?
そのために必要なものが「職能要件書」。
職能要件書をつくるために必要な作業が「職務調査」と言われるものです。
職能要件書とは、職能資格の定義書です。
職能資格制度設計のはじめの段階で、次のように資格ごとのおおまかな期待要件を定めました。
「△△等級:上長の指導のもと、担当業務をこなすことができる」
「○○等級:独力で担当業務をこなすことができる」
これを、職能要件書として、もっと詳細に定めます。
職能要件書では、能力を、知識、企画力、実行力、折衝力、などの要素に分解します。
そして、等級ごと、要素ごとに、中身を定義していきます。
たとえば、
「3等級:就業規則の主要な部分は頭に入っている」
「4等級:就業規則の主要な項目と、それに関連する法律のことが頭に入っている」
――という感じです。
職能要件書は、共通のものと職種別のものを作るのが一般的です。「職種」とは、「同じ種類の仕事の集まり」のことで、「営業職」「技術職」といったくくりです。
同じ等級でも、職種によって必要な能力は異なります。
ただ、どの職種でも共通的に必要な能力もあります。
たとえば、「企画書を分かりやすくまとめることができる」というような能力は、どの職種にも共通して必要なものでしょう。
一方、「新製品に関する市場調査を実施し、データ分析を的確にできる」というような能力は、営業職やマーケティング職固有のものといっていいでしょう。
共通的な能力と、職種ごとに固有の能力を整理して、定義していくのがいいでしょう。
人事部門などの担当部署が、現場の責任者や、ベテラン社員などに、アンケート調査やヒアリング調査をして、洗い出していくのが一般的です。
両方を併用するのがいいでしょう。
実際に作業をすると、色々悩ましい問題にぶつかります。
「これは、企画力か折衝力か、どっちだろう?」
「これは3等級か3等級か、どっちだろう?」
などなど。
経験的に言えるのは、あまり厳密に考えないほうが良いということです。(いい加減でいいということではありませんが)。
「ころあい」が大事です。「ころあい」とは、「これなら多分、運用できるだろう」ということです。
最初から完璧を求めないことです。
どんなに完璧に作ったつもりでも、実際の運用では、必ず実態とそぐわない部分が出てきます。「完璧だ」と思い込んでいると、柔軟な対応ができなくなります。
また、職務調査の作業で修正する必要も出るかもしれません。
「作っても、常に見直す」という姿勢が必要です。
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