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パートタイマー賃金制度構築講座(3)〜格付制度(1)


◆人事制度のベースは従業員のランク付け

これは、正社員、非正社員どちらの場合でも同じです。

正社員については、このような制度を整えていても、パートタイマーなど非正社員については何もやっていないという会社は珍しくありません。
しかし、今後、パートタイマーを有効活用していこうと考えるなら、ここの整備は必須です。

◆そもそも格付とは?

冒頭書いたとおり、「ランク付け」です。 それをどんな基準でやるかによって、会社の人事制度の性格が決まってきます。

基準には様々なものがありますが、パートタイマーの場合、次の3つが選択肢として上げられます。

  1. 職務、役割
  2. 能力
  3. 勤続

それでは、これらのメリット・デメリットにはどんなものがあるでしょうか?

◆職務、役割基準のメリット、デメリット

担当している仕事の価値や、担っている役割の大きさによって序列付けするのが、この職務・役割基準です。

仕事そのものの価値(職務基準)か、仕事に伴う役割(役割基準)かという違いはありますが、仕事に着目した方法という点は同じです。

これのメリットは… まず、「明確」であるという点。

格付は、どんな仕事を担当しているかによって決まります。

現実には、1人のパートタイマーが、様々な仕事を担当していることも多いので、そう単純ではないものの、準拠指標がはっきりすることは確かです。
「なぜあの人が、このランク?」という問いかけにも、根拠のある説明ができます。

もし、担当している職務に能力が追いついていなければ、担当を変更し、格付も変更します。 これが大原則。
ここを曖昧にすると、格付制度が崩壊します。 (経過措置、賃金調整などの配慮は、別の枠組みで考えます)。

また、社員との均衡・不均衡の根拠も明確になります。

社員と職務価値が同じであれば、均衡処遇にする。
対面販売は社員もパートも同じだが、クレーム対応は社員ということなら、その部分で差をつける。
職務は同じだが、社員は転勤があるのなら、その部分に関して差をつける。

−−−こんな枠組みをつくることができます。

また、「何を担当するか」が基準なので、短期雇用・長期雇用いずれにも対応できます。 雇用期間が短くても、レベルの高い業務を担当していれば、それに応じた処遇となり、不公平感がありません。

デメリットは…

もし異動や職務変更がある場合、一定の配慮が必要です。
能力が伴っていないために、異動や職務変更をする場合は別ですが…

会社の人事上の理由で、異動や職務変更をした結果、担当職務のレベルが下がった場合、もしそれに応じて格付や賃金が下がったら、誰も異動に応じなくなるでしょう。

正社員の場合、こういう点がネックになって、職務等級・職務給が導入できなかったり、導入しても形骸化することが少なくありません。
パートタイマーの場合、会社によって、そして働く人それぞれの事情によって、状況は異なります。 実情を見て、具体策を考えるのがいいでしょうね。

また、この基準を入れる場合、職務分析作業が必須になります。 規模や、どの程度の精緻さを求めるかによって異なりますが、それなりの作業になることは確かです。

ただ、後述の「能力基準」の場合でも、職務の洗い出しは必須ですから、 その点は、実質的にそれほど変わらないでしょう。
勤続や年齢のような「属人」基準でない限り、何らかの基準で人事をやろうとしたら、仕事の分析は避けて通れません。

また、パートタイマーが担当することの多い、定型業務の場合、業務マニュアルや手順書などがあるのでは?
その場合は、そのような既存のツールを活用すれば、効率よく作業が進められます。

いずにしろ必要なのは「職務」 パートタイマーであれ、正社員であれ、会社の人材を有効に活用していこうと考えたら、年齢や性別などの「属人」基準から離れなくてはなりません。

では、離れた後は?

仕事・役割か能力しかありません。
そして、「能力」という場合でも、それはあくまでも、職務に必要な能力。

以上から言えるのは、会社にどんな業務があり、そのレベルはどうなのかを把握することが、必須だということです。

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