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人材育成では、まず最初に、「どんな人材を育てたいのか」、つまり「育成目標」を考える必要があります。
そして、それは、
この2つの基準で考えると分かりやすくなります。
この基準で整理すると、育成目標は次の4象限で捉えることができます。
それでは、この4象限を具体的に見ていきましょう。
仕事をしていく上で、最低限必要な知識・スキルです。これが身についていないと、その会社の仕事はできません。
新入社員、人事異動や業務分担変更などで新しい仕事を担当することになった人などが、主な教育対象になります。
教育内容は、大きく次の2つになります。
教育方法は、まず教室での集合研修、そして職場でのOJTというステップを踏みます。
対象者が少ないなど、集合研修をやることが難しい場合は、いろいろな教育機関が実施しているオープンセミナーから適切なものを選んで、受講させます。
通信教育、eラーニングなども有効な手段です。
タイミングを逃すと、教育効果も薄れますから、事前に計画的に進める必要があります。
特に、オープンセミナーなどは、受けたい(受けさせたい)時期に、ぴったりのものが開催されているとは限りませんから、注意が必要です。
既に実務をこなし、「標準以上」の評価を得ている人が対象になります。
たとえば、既にSEとして実績を積んできた人が、プロジェクト・マネジマントの手法を学ぶようなケースが該当します。
教育方法は、オープンセミナーが中心となります。
通信教育、eラーニングでも、適切な講座があれば利用できます。
ただ、選択眼をもった人が選ばなくてはいけません。この点は、ミニマム・レベルでも同じですが、アドバンス・レベルの場合、特に注意が必要です。
一見ハイレベルのように見えて、実はそうでもなかったということが、少なくありませんから。
「コンセプチュアル・スキル」を直訳すると、「概念的技能」となります。
何だかよく分からないコトバになってしまいますが、要するに、具体的な形をもたないスキルです。
仕事をしていく上で特に重要と思われるものを上げてみます。
このようなスキルは、OJTと集合研修を交互に繰り返していくことで、身についていきます。
集合研修は、自社の業務実態を反映したオリジナルものの方がベターです。
しかし、それが現実に難しい場合は、オーオプンセミナーでもOKです。
ポイントは、「なぜこのセミナーを受ける必要があるのか」を事前にしっかりと理解させることです。
このようなことは、何もコンセプチュアル・スキル研修に限ったことではありません。どの研修にも、必ず必要なものです。
ただ、実務知識の研修と異なり、受講者にとって、目的が分かりずらいのも事実です。そのため、研修と業務の関係を、しっかりと理解してもらう必要があるのです。
この場合の「アドバンス・レベル」とは、どのようなものでしょうか?
たとえば、コミュニケーション・スキルなどにも、「エントリー・レベル」と「アドバンス・レベル」があります。
それをもう少し具体的な姿に置き換えると、どうなるか?
「リーダーシップ」ということになります。
業務のリーダー、職場のリーダーとして、人を巻き込み、引っ張っていく力がリーダーシップです。
それでは、リーダーシップの中身は何か?それは、コミュニケーション・スキルや問題解決力など、「ミニマム・レベル」で上げたものと、ほぼ同じです。
ただし、そこに「リーダーとして」というコトバが頭につきます。
たとえば、問題解決力を例に取ってみましょう。
担当者レベルでの問題解決力とは、自分の担当業務の範囲に限定されます。
担当するお客さんからクレームがきた、開発中のプログラムにバグがあった、などです。
それでは、「リーダーとして」では?
問題の範囲が広がるのです。リーダーが率いるチーム全体の問題に範囲が広がります。
たとえば、自分が責任者をつとめているプロジェクトの進捗が遅れてきた、チームメンバーの人間関係が悪い、などです。
このスキルも、集合研修と業務経験の中で身につけていきます。
集合研修での教育部門の役割は、受講者に、研修の必要性をきちんと理解させることです。ミニマム・レベルと同様です。
もし複数の受講者がいれば、ケースタディを使って、お互いにディスカッションする場を設けるのがいいですね。
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